『仰せのままに、お嬢様』《完》
驚きとか感動、嬉しさ。
色んな感情がないまぜに
なって、あたしの胸を満たす。


初めて知った楓さんの過去。


楓さんがそんな決意をして
ここに来てくれてたなんて、
夢にも思ってなかった。


だけどそれを聞いて、
あたしは改めてこの人を
すごいって思った。


執事としての技能とか、
そんなことじゃない。

楓さんの、心がすごい。


(楓さんは――こんなに
優しくて、強い人なんだ――…)



感動で、完全に言葉を忘れる。

だけどその沈黙は楓さんを
誤解させてしまったみたいで、


「リリカ様? もしかして、
お気を悪くされましたで
しょうか?」


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