『仰せのままに、お嬢様』《完》
「えぇ? どうして?」


慌てて楓さんを見ると、
本当に心配そうな顔をしてる。


「このようなことは、私の
勝手な思い込みでございます。

リリカ様には、ご迷惑で
あられたかと――」


「迷惑なんかじゃないよ!

楓ってすごいなぁって。
そんな決意して来てくれてた
なんて、ありがたいなぁって
思ってたんだよ」


あたしは身を乗り出して
説明した。


すると、今度は楓さんが
目を見開いて、


「ありがたい――で、
ございますか?」


「うん、そうだよ。
ありがたい」


「もったいないお言葉で
ございます。

リリカ様にとって私は、
自ら望んでおつけになった
執事ではございませんのに――」


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