『仰せのままに、お嬢様』《完》
いつの間にかこんな皮肉
まで言うようになっちゃって。
楓もずいぶん変わったものだ。


「――知らないっ。
じゃあさっさと行けば!」


あたしは完全にすねて、
スタスタとリビングを出て
自室に戻った。


後で朝子さんに聞いたら、
楓もその後すぐに身支度を
して家を出たらしい。


だけどあたしは、帰ってきた
楓を『どこに行ってたの!?』と
問い詰めることもできなかった。



―――その夜。

12時を過ぎても、楓が
帰ってくることはなかったから。





     ☆☆☆☆☆


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