『仰せのままに、お嬢様』《完》
「じっ、事故っ!?」


意識がない!?


「ど、どういうことっ!?」


全身の血が引いて寒気を
感じながら叫ぶと、男の人は
観念したようにあたしと
幹生君を交互に見て言った。


「Mr.四堂は我々がお預かり
している。眠っておられるが、
お体に別状はない。

我々が見張っていたのは、
正確に言えばあなたでは
なく、Mr.四堂だ」


「え――――!?」


男の人の肩に手を置いたまま、
呆然となった。


(あたしじゃなくて、楓を
見張ってた――?)


「どうして、楓さんを
見張ってたんだ? お前は
一体――…」


_
< 302 / 364 >

この作品をシェア

pagetop