『仰せのままに、お嬢様』《完》
「うーん。でもまぁ、その
マリーノさんとやらも潔く
諦めてくれたんだよね?

丸く納まってホントよかったわ」


ニコッと笑って言う香奈枝に、
あたしも大きく頷く。


(本当に、マリーノさんが
いい人でよかった……!)


あのお屋敷を出てから、
楓が教えてくれた事実。


なんと『マリーノ一家』と
いうのは、イギリスの裏社会で
名を馳せる、トップクラスの
イタリアンマフィアの一家
だったらしいんだ。


『ど、どおりで屈強な部下を
山ほど連れてたわけだ』


聞けば出さなかっただけで、
きっと部下全員ナイフや
拳銃も持ってたんじゃない
かって言う。


それに無謀にも向かって
行ってたんだと知って、
幹生君なんかフラフラ
してたっけ。


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