『仰せのままに、お嬢様』《完》
「あ~、幹生君! えっと、
これには色々と事情があってね。

そ、その辺りは詳しくは
聞かないでほしいんだけど――」


「実は、リリカお嬢様の
男性恐怖症が治りませんと
社交界デビューもままならぬ
ゆえ、旦那様が一計を案じ
私を遣わされたのでございます。

リリカ様と私は、これより
行動を共にし、男性恐怖症
克服に励むことになります」


「……………」


楓さん……あたし無視して
勝手に全部説明しちゃった。

しかも男性恐怖症って、
二回も言ったし。


「かっ、楓さん~~っ!」


もうっ、やっぱり意地悪だ!

幹生君にまでベラベラ説明
しなくてもいいじゃない!
恥ずかしいのに~っ。


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