『仰せのままに、お嬢様』《完》
それはよかったですね。
快適な職場のようで、
何よりです。

――なぁんて、皮肉の
ひとつも言えたらいいのに!


実際のあたしは、やっぱり
そんなことは到底ムリ。

長身の楓さんが部屋に
入って来たってだけで、
ものすごい威圧感を感じて
ドキドキしてる。


身長なら、幹生君の方が
高いはずなんだけど。

やっぱり慣れていない限り、
男の人はそばに来られる
だけで、緊張しちゃうよ……。



「本日は、フルタイムで
講義がおありの日でござい
ましたね。

あと15分ほどでこちらを
出れば、ちょうどよい
頃合いと存じます。

お支度はいかがで
ございますか?」


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