『仰せのままに、お嬢様』《完》

第二章

１ 燕尾服を脱いだら？

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―――楓さんが来てから、
二週間ほどが経った。


この二週間でわかったことは、
楓さんが本当に非の打ち所の
ない有能執事だということ。


常に礼儀正しく冷静で、
給仕やあたしの身の回りの
ちょっとした手伝いなんかは、
完璧。

あたしが何かで困ってると、
頼みもしないのに気づいて
声をかけてくれたりするし。


加えて、数日経った頃から
あたしは彼に礼儀作法や
社交術のレッスンも受けてる。

社交の場でのレディと
しての振る舞い方とか、
好ましい話題だとか、そんなの。


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