secret girl
きっとこの叶の言葉がなかったら、わたしは変わらなかった。
良い意味で。
「な、なんで!?」
叶の辛辣な言葉に思わず前のめりになった。危うく肘でコーヒーカップを倒しそうになったがそんなのかまわない。
『がんばって美恵子ならきっとできる!』 『彼氏できたらちゃんと紹介しなさいよ☆』 なんて言葉を期待していた自分が恥ずかしい…。こいつの性格上そんなことありえない。
するとまたもや叶は先ほどと変わらぬ口調で言い放った。
「だってあんた腐女子じゃん」
「うっ…」
痛いところを突かれた。確かに世の中の男子たちはこんなオタクで腐っている女の子と付き合いたいと思わないだろう…。
「まあ、美恵子は顔もファッションセンスも性格も悪い訳でもないんだけどね~…その変態ちっくな趣味よね…」
そう言って爪先から頭の先まで舐めるようにわたしを見た。
「えへへ…そんなことないよお~」
「いやべつに褒めてないから」
ひとりで勝手に照れているとまたもや叶にきついツッコミを入れられた。
くそう…。そしてわたしは決意した。
「じゃあやってやる!!脱腐女子してやるよ!」