優等生が惚れた女
「片瀬君!!」
みんなが見てます!!って言いたかったけれど、周りの目で、それどころでは無かった。
先輩も…よく話す友達もみんな…片瀬君とあたしを見ている。
それに気付かないのか、片瀬君はどんどん進んでいく。
やっと教室にたどり着いたと思ったら、堂々とドアを開けて皆が注目してしまった。
……最悪。
妙な静けさの中で、あたしは自分の席に着く。
「1日で綾人落としたの?」
隣も隣でとても厄介…
中井君はニヤニヤしながらあたしを見てくる。
「違います。」
なんでそうなるの?
片瀬君もそうだけど、中井君もマイペースすぎる。