優等生が惚れた女
安心はしていても、周りが静まる事は無かった。
「蜜ちゃん!!綾人君とどう仲良くなったの!?」
「あたしも片瀬君と一緒にいたいから紹介してよ!!!」
多分…外からみたら、あたしの席は女子に囲まれているはず。
「あ…あの……」
どう対処していけば分からない。
夕陽もどこにいるか分からないし…
誰か助けてぇ――!!
「テメぇら邪魔なんだよ。こっちの身にもなりやがれ。」
……え?
一瞬で静まった教室内。
すると皆がそそくさとあたしの席から離れていく
視界がとらえたものは、隣の中井君だった。
「どういたしまして」
「お礼なんて一言も言っていませんよ。」
でも……今回だけ
「ありがとうございます。」
すると中井君は満足そうに笑った。