優等生が惚れた女
お昼も食べ、あたしは久々の色とりどりのご飯に満足した。
「ごちそうさまでした。」
……お母さんに料理教えてもらおうかな…
指先が器用ではないあたし。
……頑張ろう。
夕陽もお弁当をしまい立ち上がった。
「んじゃ、あたしちょっと彼氏んとこ行くわ。蜜は優等生とヤンキーにお世話してもらいな。」
「は??」
呼び止めようとした瞬間、そそくさと姿を消してしまった。
お世話って…子供じゃないんだから
残り3人…
だれひとり喋ることもなく沈黙が続く。
あたしは気まずさに絶えられず、「じゃあ……」
と立ち上がろうとしたとき…
「蜜」
はい? 蜜?
あたしは2人の顔を見る。
初めて男の子に名前で呼ばれた。