狼様の愛のカタチ理論
印と契約
―――――……
そしてその日から三日後
無事に院長様も帰って来て施設は通常の生活に戻ってきた夜
子供達を寝かしつけ、私と院長様は食堂で熱いお茶をのみながらくつろいでいた
「それで、沙優がそう言うって事は物凄く格好いい人だったのね」
「は、はい」
話しの内容は、以前私が出会った黒い瞳にあの赤髪の男の子の話し
懐かしい匂いだとか、見えるのか?とか、りんごの存在を知らなかった事を話すと院長様は"ふふん"と何か分かったように笑った
「それは、神様じゃないかしら」
「神様?」
神様って、雲の上にいる人達のこと?
「そう、ほら、施設の裏山の頂上に祠(ほこら)があるじゃない?そこの神様よ」
「………」
確かに、施設の裏には山があり、その頂上には祠がある
私も小さい頃は何回も行ったが、今は崖とか池があり"危険"とされて祠にはいけなくなっている
所だ
「あの祠にいる神様はこの街を守ってるって言い伝えもあるから、きっと彼はそこの神様だったのよ。いい経験をしたわね」
ニコリと微笑み、お茶をズズッとすする
そっか、神様かぁ
それなら、この世のものじゃないくらい綺麗だったのも、突然消えてしまったのも納得だ
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