狼様の愛のカタチ理論
うわっ、そんな目をされたら気まずい
と、言うか…なんでわざわざ私の前に座るの?
「………」
右汰の視線が重く、さりげなく視線をそらすと左汰が丁寧に私の前に紅茶とケーキを差し出した
「どうぞ」
「あ、ありがとう」
「本日は沙優様の好きなもものタルトです」
目の前には、鮮やかなピンク色をしたもものタルト
うわ、美味しそう…
天界にもケーキがあって本当に良かった
前々から思っていたけど、天界の食べ物は人間界ににている
だから、馴染みやすい…
「いただきます」
手を合わせ、フォークでケーキを口に運ぶと、甘い味が広がって…
「美味しい!」
「良かったです」
やっぱり甘いものは食べると元気になるな
「左汰、いつもありがとう」
「いえ」
「あ、左汰も座ってお茶しようよ」
右汰とは違い、立ったまま私に微笑む左汰にそう言うと、静かに彼が首をふった
「?」
「右汰と違って、私は沙優様を前にそのようなことは…」
「はぁ?!」
「なんだ」
「お前、俺が常識はずれのバカっていいたいのか?」
「バレたか」
「バレたか!じゃねぇ!」
「…………」
はぁっ、また始まった…
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