狼様の愛のカタチ理論

「…わかった…」


もう、扇李の様子からして、これ以上私が何を言っても見てくれないし、答えてくれないだろう



はぁっ、また扇李は私を振り回すんだから…


「…じゃあ、私は行くね」


「…………」


そう言っても何も言わない扇李


あぁ、また完璧に無視ですか…なによ、扇李の馬鹿


少しだけだけど、扇李と仲良くなれた気がしたのに


「やっぱり…嫌い」


ボソリとそう呟いて扇李から視線をそらして、呉羽さんをみる


「えっと…じゃあ、行きますので、失礼します」

「うん。バイバイ」


ペコリと頭を下げる私に手をふり、口元をニヤつかせる



「いいね、そーゆう礼儀正しいの」

「え？」



そんな彼をみてもう一度扇李をみても、私なんか全くみないで怖い目なまま呉羽さんを睨んでる



「あ、の」

「ねぇ、扇李。君に殺意を向けられてもいいから、やっぱりこの子…味見していいかな？」


「……」


ペロッと目を細めながら唇をなめる



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