狼様の愛のカタチ理論
これが、人間の世界なら、セレブ妻だ
まぁ、天界でも生活的にはセレブだけど…施設で育った私には贅沢すぎる生活だ
「…ふぅ」
そんな事を考えて、無意識に息が出ると…
ヴゥ―…
「…え?」
なに?この声―…
突然聞こえて来た鳴き声に急いで振り向くと、木の上に赤と黒色の狼の姿
え、お、狼??
生まれて初めてみたその姿に私の身体はかたまる
な、な、なんで、こんな所に狼がいるの?!
「…っ」
黒い瞳を瞬きさえもしないで、私をみつめる狼
おかしいよ。どうして?この宮殿には狼がいるの?
まさか、だってそれなら左汰が必ず私にそれを言ってくれるはず
なのに、どうして?
「……」
頭が混乱する私とは違って、目の前の狼は私から目を離さない
・