狼様の愛のカタチ理論





右汰に噛みついたり、後ろから容赦なく飛び付いて、それを右汰は避けたり殴ったりで…




見ていて…


痛い。胸が痛い―…



「右汰…!」


「早く行けって!お前がいると戦いにくいんだよ!」



ちっと舌打ちをしながら、さらに怒鳴る右汰に身体がびくつく


だ、だって……っ!


「お前は、俺たちが守らなくちゃいけねぇんだ!」


「…っ」


「早くいけ!今すぐいかないと、お前と二度と口なんかきかねぇぞ!」


そんな!そんなの、嫌だ。嫌、だけど…っ




「沙優!行け!」


「…っ!?」


トラ達に抵抗しながら、私の名前を叫ぶ右汰


え、右汰…今、私の名前…っ


「……っ」
















右汰が、私のためにこんなに一生懸命になってくれてる




行きたくない、一人置いてなんか行きたくない


だけど……


「わか…っ…た」


こんな風に、初めて私のために一生懸命になってくれてる右汰の思いを裏切れない









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