狼様の愛のカタチ理論
右汰なら、大丈夫
そう信じるしかない…
「分かったなら、早くいけ!」
「う…んっ」
ごめん、右汰 …っ
そう心で言い、私は急いで来た道を走った―…
―――――……
「はぁっ、はぁっ」
それからは、とにかく走った
覚えてる限り、正確に。安定しない坂道を必死に走った
草で脚が切れても、身体に木の枝が当たっても痛みなんて感じない
ただ、右汰の行動を無駄にしたくなくて…それだけが私の脚を動かしてる
本当は、こんなことしたくない
したくない!約立たずでも、足手まといでも右汰と逃げたかったし、それがダメならそばにいたかった
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