狼様の愛のカタチ理論








どして、あの狼がここにいるの?


あの時、いつのまにかいなくなっていたのに…



「…あ、の」



私に背中を向ける狼さんにそっと声をかけると、狼さんは軽く首を街の方に向ける


「え?…逃げろ…ってこと?」


私の言葉に頷くと、狼さんはトラ達に近付くとトラ達は後退りしていき



勝てないと悟ったのかきびすを返して逃げるトラを狼さんは私を見ることなく追いかけていく





「……………っ」








残されたわたしは、その後ろ姿をみながら唇を噛み締めてる



逃げろって…狼さんまで、そんなことを言うの?


助けてくれたのは、嬉しかった。今あの狼さんがいなかったら、私は確実に襲われていた













だけど、だけど!


私は、やっぱり………














「右汰をほって、逃げるなんて出来ない…」



あのトラ達が右汰を痛め付けてから私を追いかけたなら、右汰は…



「…っ」


だめだよ、そんなことを考えちゃ駄目…


息をしてないんじゃないか、なんて考えたら駄目


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