狼様の愛のカタチ理論
右汰の思い
――――――……
そして、また私は走った。
走って降りた道を、私は走って登ってる
はやく、右汰に会いたい。右汰の顔をみたい。姿をみたい
お前!って私を怒る声が聞きたい
右汰が無事だって、はやく確かめたくて、だんだんと重くなる脚を必死に動かして
私は走った―――……
――――……
「…うそっ…」
数十分後、右汰と別れた所にやっとのことで到着した私は…その光景に胸が痛いほどに締め付けられた
トラ達の姿はもうすでにない
だけど…その代わりに、そこには、仰向けに倒れてる傷だらけの右汰がいた―…
「…右汰っ」
急いで掛けよると、うっすらと濁ったような瞳で私をみつめ、その目が細められる
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