狼様の愛のカタチ理論
「お前……な…で」
小さく、虫の息のような声
「右汰…っ」
本当は怒鳴りたいはずなのに、そんな事をする余裕なんてないんだろう
なんで?そう聞くのがやっとな右汰をみて、私は右汰の瞳に掛かる髪の毛にそっと触れた
「…?」
「…ごめんなさいっ」
「……」
もう、こんな状態の右汰をみたら謝罪の台詞しか浮かばない
私を逃がすために、右汰は一人で立ち向かって
傷付いて、息をするのもやっなくらいで…
胸が痛い。私はなんで右汰の言う通りに逃げたんだって後悔ばかりが私を襲う
「ん…よ…それっ」
「…っ」
バシッと眉をしかめながら、ゆっくりと腕を動かして私の手を振り払う
「右汰っ」
「それ、より…なんで……き…た」
「それはっ」
言え、そう言いたそうに私をみる右汰
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