狼様の愛のカタチ理論







―――――……



チュンチュンと雀の鳴き声が響き…それと競うように子供たちの声が聞こえてくる





ここは…田舎にある孤児院。いわゆる、児童養護施設だ


田舎と言っても、周りが田んぼだらけで家と家の距離が物凄く離れていたり

バスや電車が来るのが1日に一回だけとか、そこまでじゃない


電車は1日に5本くらいだけど、1時間くらいのれば街中にいける


買い物だって、自転車で10分くらいの所に小さなスーパーもある


川も綺麗で夏には川遊びをする子供


こんな街に児童養護施設があるんだ




「みんな!遅れてごめんね」


玄関で暴れまわる子供たちにそう言うと、"はやくー"と言いながら私の手をひいていく


「さゆねぇってばいつも準備おそいんだよー」

「そうよ!遅刻する女の子はダメなんだよ」



なんて、ダメだしに私は微笑む


「ごめんごめん!今日はみんなの好きなハンバーグ作るから許して」


手のひらをあわせて謝るとキラキラ光る目につい微笑みが零れる




葉山沙優(はやまさゆ)


私はこの施設で小学3年生から暮らしている―…


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