狼様の愛のカタチ理論
「そうか…左汰にそんなことを言われたのか」
「………」
「沙優」
「は、…ぃ」
「左汰の言った意味が、理解出来ぬか」
あ……
扇李の言う事はただしい、だから私は素直に頷いた
「そうか」
「理解したいの、だけど…考えれば考えるほど左汰の言う思いが分からなくて…何をすればいいか分からないっ」
手にギュウと爪が食い込むくらい力をいれると、扇李がその上から自らの手を乗せる
「?」
「無理に理解などしようとするからだ。だから分からない」
「っ…だ、だって」
理解しなくちゃ、いけないんだもん
左汰にもそう、言われたから…
「違う、理解するなとは言ってないだろ」
「………」
「自分以外の者の気持ちなど、誰にもわかるはずがない」
「っ」
「だから、自分の気持ちになって考えてみろ」
自分の、気持ち?
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