狼様の愛のカタチ理論
「…ぇ?」
どうゆう意味?
反射的に頭を傾げると、扇李の漆黒の瞳に私がうつる
「沙優ならどう思う」
「わたし?」
「守りたい奴を、自らを犠牲にして守り自分は傷付いた。それを知った守られたやつは、ただ悔やみ泣き、謝り続けた」
「…………」
扇李の言葉が自然と自分と重なる
もし…施設のみんなが、それを知って…泣いて、謝ってきたら?
そんな、そんなの―…
「い、や」
「なぜだ」
「わたしは、みんなに…笑って欲しかった。皆が、幸せになることを…望んだからっ…泣いて欲しいとか、謝って欲しいなんて望んでないっ」
「なら、右汰も同じだ」
「…………っ!」
「相手の気持ちが分からないなら…自分の気持ちで考えればよい。何を言えば傷付く、何を言われたら嬉しい…人間も神も同じだ」
扇李………
「他の者の気持ちなど、その者以外わからぬ」
「だから…自分なら…そう考えれば左汰の言った意味が分かるはずだ」
私の手をはなし、再び頭をなでる扇李
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