狼様の愛のカタチ理論
扇李
相手の気持ちを自分の気持ちとして…か
確かに、むかし院長様にそんなことを言われた
自分がイヤな事は他人にはしないって…
して欲しいことも、それと同じなのかもしれない…
なら、わたしは…
「…わかった…」
「?」
「もう、悔やんだり。悩んだりしない」
握っていた手をはなして扇李に言うと、かれはフッと笑う
「そうか」
「うん」
右汰が起きるまで、ただ…待ち続けて
目を覚ましたら、ごめんね、じゃなくて…笑って…ありがとうって言おう
それが私に出来ることなんだ…後ろをみるだけじゃなくて、前を見なくちゃいけない
それが、左汰の言う右汰の思いと重なるかはわからないけど
わらしなら、笑っていて欲しいから……
「扇李…ありがとう」
「別に、我はなにもしてない」
私から手をはなして、荒々しく立ち上がりプイッと視線をそらす
・