狼様の愛のカタチ理論




「………」


「その答えは沙優が選んだことだ。我は、助言をしたに過ぎない」


「…」


「答えが出たなら、もう部屋に戻ってねるがいい。夜は冷える、風邪でも引いたら困る」


「…わかった。だけど、もう少しここにいる」


気持ちの整理はついたけど、もう少しだけここにいたい




「…そうか」

「うん」


頷いた私を扇李はみつめ、ため息を吐きながら近寄ると


自らの羽織りを半分脱いで私の肩を再び抱きながらそれを掛ける


「…ぇ」


さっき以上に近い距離に私の胸がドキッと音をたてる


な、なに。ドキッって…


「あ、の」

「勘違いするな、我が部屋に戻りもし襲われでもしたら、後味が悪いだけだ」


「………」



嘘…ばっか


言葉と態度が違いすぎる


もし、そうなら、私の肩を抱いて羽織りをかける必要なんてないじゃん


冷えるから、それを分かってるからこうしてるんだ…




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