狼様の愛のカタチ理論
「今日は…なんか、別人みたいに優しいね」
「…は?」
「いつも、こうなら…嬉しいのに…」
「はっ…おい、お前…っ」
コツンと私を抱く腕に促されるように彼に身体を寄せると、扇李はそれ以上なにも言わずに顔を背ける
「…」
扇李はやっぱり、根は優しいのかもしれない
意地悪したり、冷たくしたり、脅したりするけど
たまに、見せる優しさは…好き
なんて、扇李と過ごした時間で嫌いな時間のほうが断然多いけど…
今、私の中で何が変わろうとしてる―…
その証拠に、私の胸は…
ドクン、ドクン―…じゃなくて
ドキッ、ドキッと鼓動を繰り返してる―…
そんな、時間だった―…
・