狼様の愛のカタチ理論
「はぁっ、はぁっ」
どのくらいの距離だっただろうか
とにかく長い距離を走って、狼さんをみた庭につくとそこに狼さんの姿は無かった
「…そんなっ」
おっかしいなぁ…絶対にここにいたはずなのに、その姿はない
前も突然来ていなくなったし、その前も気付いたらいなかったよね
なんて言うか…神出鬼没なのかもしれない
「…はぁ」
だけど、残念…次会ったらなんとしても言おう
「うん!」
そう手を握りしめて意気込むと…
「右汰の怪我は完治したようだな」
「?」
一週間ぶりに聞く声
その主が誰だかなんてすぐにわかる
ドキッと高なる胸が証拠だ
「…扇李?」
名前を呼びながら振り向くと、前と同じように木に座りながら分厚い本を読んでいる扇李がいた
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