狼様の愛のカタチ理論
やっぱり、扇李だ…
木に座る姿をみると扇李と2回目の再開を思いだすな…
「うん、傷もすっかりよくなったよ」
扇李に少し近付きながら、言うと彼は本を閉じて軽々と木から降りる
「そうか」
「うん……」
あ、そうだ。私ってば扇李にもお礼を言わなくちゃいけないんだ
色々お世話になったし
「あのさ、扇李…話しがあるんだけど…って、え?」
"有り難う"そう言おうとすると、扇李はいきなり少し渋い顔をしながら私に近付いてくる
え?な、なに?
「あ、あの…?」
なんかイヤな予感がして、本能的に数歩下がると
ドンッと背中に木があたり近付いて来た扇李の左手が私の耳元を掠める
木に押し付けられてる、そう思われても仕方がない格好に
ドキッ、ドキッと心臓がありえないくらい鳴り響く
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