狼様の愛のカタチ理論





「そんな、私は抜けてなんかないよっ」


精一杯、抵抗のセリフを口にしても扇李はどうでもいいのか


興味のなさそうに胸元から首筋に鼻を近づける





「だいたい、なんだ」


「な、なにが…」


「我の花嫁だと言うのに、他の獣の臭いなど…不愉快だ」


「そ、そんなこと…言われても」


最近は右汰といることが多かったし


第一、私には右汰や扇李の言う臭いが分からないから


不愉快だ、なんて言われても自然に消えるのを待つしかない…け…ど



「あの、そんなことよりっ」


さ、さっきからっ!


「ん?なんだ」


なんだ?じゃなくて…!


「く、くすぐったいよっ」


首筋を触る手や、微かに触れる唇がくすぐったいんだ


「我慢しろ、我の匂いをつけるまでな」


「な…にっ」


そんなこと、しなくていいっ


また右汰に避けられちゃう!せっかく距離が縮まったのに、それだけは嫌だっ



そんな事を頭で考えると…



「…ひゃっ」


ペロッと柔くて生暖かい感触が首筋を駆け巡る




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