狼様の愛のカタチ理論
「分かればよい。分かればな」
「…」
隣りで、納得しながら扇李は本を1ページ開く
まぁ、不本意だけど扇李が納得するならいいか…
私の中に大事にしまっておこう
そう考えて、私は苦笑いをしながら長く綺麗な赤髪に触れる
「………」
サラッと流れる細くて綺麗な髪の毛をクルクル回したり、小さく三編みをすると本を見ている扇李が怪訝な目付き
「我は…沙優のおもちゃか?」
「ん?あ、だって綺麗な髪の毛だから」
そう言えば、今までじっくりと触ったことはなかったからなんか新鮮
「でも、これだけ長いのに…傷んでないね」
「神は人間より優れてる。髪が痛むことはない」
「あ、そうなの?」
なんてうらやましい。私なんてトリートメントは欠かせないし、手入れをしないとすぐ傷んでしまうのに
「でも、長いと大変だよね?洗うのとか、色々。切ったりはしないの?」
「あぁ」
「どうして?」
「王は天界のルールで前髪以外の断髪は禁じられてる。呉羽も長かっただろ?」
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