狼様の愛のカタチ理論
扇李にも、サイさん聞いたの?
まぁ、扇李がその理由を言うタイプには見えないからそれはいいけど…
私からなんて恥ずかしくて言えないよ
「そ、それより、早く勉強教えて下さい!」
話しを誤魔化すようにそう言うと、サイさんはじーと私をみてから少し笑い"はい"と頷く
「でも仲がよろしいことで、私は嬉しいです」
「別に、そんなんじゃ…」
まぁ、出会った時にくらべたら仲はよくなったと思うけど
そう言われると、なんか恥ずかしくて反射的にうつ向くと、部屋のドアがゆっくり開けられる
「?」
開いたドアの先を見ると、そこにはウェーブの掛かった髪の長い女性だ
小さい身長にまん丸の瞳に口元にはほくろがある
だ、だれ?
見たことのない人物に、サイさんをみると、彼はその姿をみるなり目を大きく開いてガタンと席から立ち上がる
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