狼様の愛のカタチ理論
「それでいい」
顔にあった手が再び私の首筋にふれて扇李が"印"にそっと口付けた
「…………」
これで、いいんだよね
この神様の花嫁になれば…助けてくれるんだ
ずっと、私がいなくても…みんなが幸せに暮らしていければ、それでいい
それで、いいんだよ…
「っ」
今にも溢れ出しそうな涙をグッとこらえる
理由は簡単だ…自分で出した答えが悲しくて、泣いてる姿を扇李に見せたくないからだ
涙一滴だって、みせたくない、弱い自分をこんな奴にみせたくない
「…」
ただ黙る私の首筋をキスをしてから舐めて、唇を離す
「黙ったままか?何か言え」
余裕の口調で、まるで私の気持ちなんか理解していない台詞
突然色々なことが起きて、印があるから花嫁になれっておどして…あげくのはてに、了承したわたしに対してこの態度
本当に…最低だ…っ
はっ、と息をもらして私は精一杯の嫌みでも言いたくて
「別に…ただ、どうせ花嫁になるなら…私が好きになるくらい、優しい神様が良かった…ってね」
そう言うと無言のまま私から離れて、鼻で笑う
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