狼様の愛のカタチ理論
「…扇…李…?」
信じてくれるの?
ドキッと胸が鳴ると、扇李は表情を変えないまま私の腕を掴む
「…嫌な女だ」
「ぇ?」
「そんなに、自分自身が大切か」
「……っ」
吐き捨てるような冷たい声が私にぶつかり、それと同時に―…
「…あ…っ」
バシャーン―…
強く腕が引かれ、そのまま勢いよく扇李に池に突き飛ばされると
冷たい水の感覚が身体中を襲う
「…扇李っ」
な、なんで…
ポタポタと髪から流れる雫と共に、瞳に熱いものが浮かび上がる
「…扇李!な、なにをするんですか!?」
「サイは黙ってろ」
「…っ」
「沙優、そんな風に誰かを傷付けるような花嫁は我に相応しくなどないし」
「…………っ」
「未来の傷を見る限り、お前を信じる価値もない」
「……」
「そこにいて、頭でも冷やせ。我がいつもお前の味方になると思うな」
「………」
次々に飛ばされる心ない台詞に、息が出来ないほど胸が痛くなる
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