狼様の愛のカタチ理論
は、はは…そっか……
扇李は…信じてくれないんだ。私を信じる価値はないんだ…
そっか、そっか、そっ……か
分かったよ…扇李が信じてくれないって
分かったけど、分かったけど……
「…ぅ」
ツゥーと目に浮かんだ熱い涙が流れた瞬間
今まで、押さえていた何かが溢れだすように、私の頬を涙が流れる
その言葉の事実に私の心がついていかなくて…
「……っ」
ただ涙を流す私に扇李はすぐに視線を反らして歩いて行く
「沙優様っ」
「サイ、沙優に手を貸すな。そんな甘やかしはいらぬ。沙優に近よるな」
私と扇李を交互に見つめ、悔しそうにグッと唇を噛みしめるサイさん
「ですが!」
「それより、未来の手当てをしろ。命令だ」
「………っ」
そう言うと、扇李はそれ以上何も言わずに宮殿の中に入り
サイさんも私を見つめ、悔しそうに未来さんを連れて中に入ってしまう
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