狼様の愛のカタチ理論





は、はは…そっか……


扇李は…信じてくれないんだ。私を信じる価値はないんだ…


そっか、そっか、そっ……か


分かったよ…扇李が信じてくれないって


分かったけど、分かったけど……


「…ぅ」


ツゥーと目に浮かんだ熱い涙が流れた瞬間


今まで、押さえていた何かが溢れだすように、私の頬を涙が流れる



その言葉の事実に私の心がついていかなくて…











「……っ」


ただ涙を流す私に扇李はすぐに視線を反らして歩いて行く


「沙優様っ」


「サイ、沙優に手を貸すな。そんな甘やかしはいらぬ。沙優に近よるな」


私と扇李を交互に見つめ、悔しそうにグッと唇を噛みしめるサイさん


「ですが!」


「それより、未来の手当てをしろ。命令だ」

「………っ」


そう言うと、扇李はそれ以上何も言わずに宮殿の中に入り


サイさんも私を見つめ、悔しそうに未来さんを連れて中に入ってしまう



< 356 / 550 >

この作品をシェア

pagetop