狼様の愛のカタチ理論
「………」
誰もいなくなった庭に、ポタッ、ポタッと空から静かに雨が降ってきて…
ただ、私は…溢れる涙を流しながらそこから動けない
扇李は…私を見てくれなかった…
どうして…扇李…
黒幕って、呉羽さんや未来さんに言われても
信じたのに…
なんで、扇李は私を信じて…くれないの?
もう…私の頭の中は空っぽだ
ただ、止まることを知らない涙が次々に頬をつたい…私の身体も心もすべてを濡らしていく
泣かないって決めた
覚悟して、扇李の花嫁になった。無理矢理抱かれても周りからイヤな事を言われても
今まで…我慢してきた…
みんなを守りたい、その思いだけで……
私は何十日も、何も知らない、人間なんて私しかいないこの空間で頑張って来た
自分自身が決めた道だから…後悔なんてなかった
なのに………
「どうし…よう…っ」
息も出来ないくらいの苦しさに、頭に施設の皆や院長様の顔が走馬灯のようによみがえる
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