狼様の愛のカタチ理論
「…いやだ!」
「…沙優様」
宮殿なんか、戻りたくない!…扇李に会いたくないし…もうあの空間にいたくない!
「ですが…沙優様「帰りたいのっ」」
「「え?」」
ふらつく脚で必死に立ち上がり、右汰と左汰をみつめる
彼らなら、絶対に帰る術を知ってる…だからっ
「右汰、左汰…」
「「………」」
「お願い!わたしを…人間界に帰らせて…っ」
「「………」」
そう言うって、分かってたのか、予想していたのか
私の台詞に、気まずそうに目を細める
「それは…出来ねぇんだ」
「…はい」
「…っ」
「その扉は、扇李の力に寄って護られてる。だから、俺達にはその扉を開き人間界に行く事は出来ねぇんだ」
「そ…んなっ」
「例え…扇李が扉をあけても…人間である沙優様は一度花嫁になった以上、二度と人間界には行けません」
「……っ」
二度と…か、はは
そんなの最初にサイさんに言われた時から分かった
だけど………
・