狼様の愛のカタチ理論




突然の同時に大事なことを思いだした


そうだよ。わたしってば命の恩人にお礼を言ってなかった


「…あ…の」


座る狼さんに久しぶりに声を出して話し掛ければ耳がピクリと動いて、野性的な瞳が私を真っ直ぐに見つめる


「えっと…あの時のこと、覚えてる?」


コクリと頷く狼さん


そっか…良かった…


「お礼が遅れてごめんなさい…あの時助けてくれて、ありがとう」


小さい声で話す私に狼さんは再び数回頷いて尻尾をパタパタと動かす


たぶん、"どういたしまして"って言いたいんだろう


「………」


そんな可愛らしい仕草をみていると、なんだか沈んでいた気持ちが暖かくなってくる


動物には癒しの力があるって何かの話しで聞いたことがある


それが事実だって分かるくらい、その狼さんの姿にホッとする私がいる



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