狼様の愛のカタチ理論
だから、何も考えずにそのまま身体をベッドに倒すと狼さんが私に近寄って私の枕になるように包み込まれた
「あ…ありがとう…」
暖かくて、柔らかい毛並みが気持ちいい
しかも、前は分からなかったけど凄くいい香りする
その感覚に癒されたのか、狼さんの顔をみると私を心配そうに見つめてきて
「……」
潤んだ瞳に私は可笑しくなったのか、軽く苦笑いをして狼さんを撫でた
「ねぇ…狼さん?」
「?」
「…変な事を言うんだけど…」
「………」
「…扇李は、私のこと本当はどう思ってるのかな…」
「………」
「…あ」
なんて、私ってば何も知らない狼さんに何を言ってるんだろう
そんな事を言ったって無駄なのに、自分一人で抱えた思いを狼さんになら言える気がした
右汰や左汰じゃなくて、何もしらない、何も言わない狼さんだから…話せる私の思い
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