狼様の愛のカタチ理論




扇李みたいに、冷たかったり、優しかったり、何を考えてるかわからないなんて…辛いだけだ



淡い私の願いに、狼さんは暫く無反応で、暫くしてから首を横に振った


「…ダメ、なの?」


「………」

「狼さんには、もう心に思う相手がいるの?」



私の質問に狼さんは再び動かなくなり…長い長い時間をあけて、狼さんは首を縦に振った


「…そ、か」


そっか。狼さんには、もう相手がいたんだ


当たりまえだよね、こんなに優しい相手…ほっとく訳がないもん


「じゃあ…右汰か左汰に頼もう、かな」


「…」


冗談まじりに私が言うと、気に入らないのか歯を剥き出して必死に首をふる


「え?な、なにそれ…」

右汰と左汰は絶対にダメだって?


「…じゃあ、未婚でいいよ…誰の花嫁にもならない。一人でいい…」


むしろ、そのほうが楽かもしれない


相手がいないから、苦しまなくてすむから…


「…」

それなのに…


未婚も気に入らないのか、まだ歯をむき出しながら私を見つめてくる



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