狼様の愛のカタチ理論



「あ…沙優様…」


「…ん…?」

たぶん、何日ぶりに口を開いた私が信じられないんだろう

まぁ、私自身も…あの狼さんがいてくれたから、少し元気がでた…くらいで

完璧に元気になったわけじゃないけど、心配してくれてる彼らには、言える時に言いたい


「その…心配かけて、ごめんね」


小さく謝れば、左汰は首を横にふって嬉しそうにはにかむ


「いえ、そんな」


「右汰も、ごめん」


黙ったまま、私達を見つめて右汰はすぐに視線をそらして椅子に深々と座り込む



「良かったです」

「?」

「沙優様が、少し元気になってくれて」


「…ぅん」

左汰に首を縦にうなずくと左汰は"あ!"と声をあげる


「?」

「その…元気なうちに…食事はいかがですか?3日以上なにも食べてないですし」


食事か…しょうじき、話せるけど…なにも食べたくない


「ううん…いらない」

「…沙優沙」

「まだ…そこまでは…心がついていかなくて」


「ですが…」

「ごめん、左汰。水分だけは取るから…今は何も食べたくないの」


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