狼様の愛のカタチ理論
目的のために
―――――……
「さーゆ!お帰りー」
あれから…
扇李がいなくなってから私が呆然とする暇もなく、すぐに咲ちゃんたちが目を覚ました
驚いた事に咲ちゃんたちはトラに襲われた事なんて覚えてなく、部屋にいた子供たちも悲鳴を聞いた事を覚えてなかった
たぶんそれは、扇李が記憶を消すか、何かをしてくれたんだと思う
じゃなきゃ、覚えてないなんてあり得ない事だから
「さぁ、みんなそろそろ寝よう!」
部屋に戻り、まだ眠ってない子供たちに言うと、意外にも素直に"うん"と頷き布団に入ってしまう
「あ、ねー?さゆー明日は何をして遊ぶー?」
「え?」
布団からわずかに顔だし聞いてくる子供に私は微笑みその場所に横になった
「そうだな…」
明日か…
明日になったら私はここにいない。それなのに、守れない約束なのに…皆に笑顔を見せて考える私は最低だ…
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