狼様の愛のカタチ理論



いつも、いつも、振り回されて。結局、いつまでも扇李は私に本心なんか見せてくれない


この優しさだって、いつまで続くかわからない…

また明日には、冷たい瞳で見られるかもしれない

そんな光景を考えれば、私の胸はまた痛いくらい締め付けられて…"もう傷付きたくない"そんな醜い思いに…


「…扇李」

「…なんだ」

葡萄を飲み込んで深く深呼吸をすると頬に添えられた彼の手を引き離して…

扇李を真っ直ぐみつめながら無理矢理に笑顔を作る

「沙優?」

「もう…やめて」

「……あ?」

「もうね…これ以上、私に優しくしないでっ」



そう言った瞬間、バァッと目に熱い物が浮かんでそれを必死に抑えながら彼を見続けた



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