狼様の愛のカタチ理論
「…近付き過ぎたんだ…我らは」
「…っ」
ボソリと扇李は私に聞こえないような声でつぶやいてドアに手を掛けると私を振り返った
「…っ」
その瞳は、今まで見たことのないような…
悲しい、胸が締め付けられるような瞳で私を見つめて
優しくはにかむと、扇李はそれ以上何も言わないで静かに部屋を出て行ってしまった…
「………」
また、一人ぼっちになった部屋で私の目からは涙が零れてる
は、はは…
もう…扇李ってば最後まで酷いんだからっ
なにが、忘れろなの…
出会った頃のように嫌いなれ?
「…そんなのっ」
言われなくても、するつもりだった…のに
「……うっ」
扇李に対する思いは、もう忘れることなんか出来ない
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