狼様の愛のカタチ理論
「…マジかよ」
「………」
「そうじゃねぇ…って、信じたかった」
「ごめ…んっ」
小さく謝れば、右汰と左汰は深いため息をはいてそっと私の手を握る
「沙優様は悪くありません」
「…あぁ」
「だからと言って、扇李が悪いとも言えません…ですから、話してください」
「………」
「沙優様がずっと隠している、扇李のことや…今の気持ちを」
「俺らは沙優の力になりたいんだ。お前は初めて…俺たちを認めて…護衛以上の存在として見てくれたんだ」
右汰…左汰…
真剣に私をみつめて、私の手を握る手に力がはいる
彼らは、どうしてこんなに私を思ってくれるんだろう
心配ばかりかけて迷惑ばかりなのに
でも…彼らの気持ちが嬉しくて…
「…わかった」
そう頷いたわたしは、扇李との出会い
天界に来た理由、そして私自身の気持ちをありのまま…すべて話した―…
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