狼様の愛のカタチ理論








話し終わるころには、切なくて…胸が痛いけど

必死に思いを伝えた…


扇李が好きで…忘れられないから…これ以上思いが強くならないように…近づかないと…



全てを話せば、右汰と左汰は歯を食い縛りながら悔しそうに顔を歪めた



「…本当に、今まで黙っていて…ごめんっ」


「…………」


ごめんなさい、そんな思いを込めて謝るわたしに右汰はガタンっと椅子から立ち上がり―…


「…っ!」


ギュと力強く、私を正面から抱きしめる


え…う、右汰!?


なにが起きたか分からなくて慌てるわたしに、今度はそって左汰が私を背中から抱きしめた


「…っ…!」



挟まれてるような体勢にドキドキと心臓がなると右汰の吐息と共に小さく聞こえる声



「もう…泣くな」

「…っ」


「そうです…もう、沙優様に辛い思いはさせたくありません」



続けて聞こえた左汰の台詞に私の瞳には涙が浮かんでくる



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