狼様の愛のカタチ理論
「ん?どこ行くんだ?」
「違う本、持って来るの」
胸に数札本を抱えるとそれをみた右汰と左汰は二人同時に椅子から立ち上がろうとするが…
「い、いいから!二人はここにいて!」
私はそれを慌てて止める
この二人、あの日から私の傍を片時も離れない
また一人で泣くからとか、扇李に何かされたら…とかなんとか言って何をするにもついてくる
心配してくれるのは嬉しいんだけど
少し以上に過保護な右汰と左汰に私は悪い気がして仕方がないのだ
「ですが…」
「こんな所で何も起きないから!ほら、静かだし何かがあればすぐに分かるでしょ?」
周りを見渡せば、みんながみんな本に集中していて本当に館内は静か
「おまえ、今までなんだかんだ言って一人になるから危ない目にあったんだぞ?」
「そうです、数をかぞえれば数えきれません」
うっ…まぁ、それは否定できない。確かに、一人で大丈夫!なんて甘い考えをしていたから、今まで何回も危険な目にあったから
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