狼様の愛のカタチ理論
第6章
暗闇の中で
―――――……
「お帰りないませ、沙優様」
それから私たちは暫くそこに居座り、日が暮れた頃に宮殿に戻った
あれから、右汰と左汰に呉羽さんのことを聞かれ
心配してくれることに良心が痛んで、しょうがなく、謝られたことだけを話した。
"あの男がそんなことを"なんて以外だったらしく、不振な顔をしながら聞いていた
無論…呉羽さんの花嫁になったことも聞かれたけど、それだけは言うわけにいかなく…最後の最後まで誤魔化したのだ
そんな私の様子を分かってくれて、"辛かったら言う"を条件にそれ以上追及しないでくれた
「沙優様、夜も遅くなりましたし先にお風呂になさいますか?」
「…んー」
門を通り、部屋に向かって歩くなか左汰が言う
外は真っ暗で人間界でいう8時らしい
「じゃあ、先にお風呂はいろうかな」
本を読みすぎて疲れたから暖まりたい
・