狼様の愛のカタチ理論




首も痛ければ肩も痛くて、久しぶりに本を読みすぎて後悔してるくらいだから…


前を歩く左汰に言うとニコリと笑われ、お風呂に向かおうとすると…



「あ…沙優様」

「え?」


廊下から響くようなサイさんの声が聞こえ、振り向くとそこにはサイさんと扇李がいた…


「…あ」

呉羽さんとのこともあり、その姿にドクンと胸がなる


な、なんてタイミングが悪いの?

会いたくない人物が目の前にいて、不自然に目をそらしてしまう


「今お帰りですか?今日はいつもより遅いですね」


「ぁ、はぃ…本に夢中になりまして…」


「そうですか。あの場所は色々な本があり夢中になる気持ちはわかります」


「は…はぃ…」


「それでは、もしかしてこれから夕食ですか?」


「いえ、沙優様はこれから入浴される所です」


私の代わりに、左汰が話すとサイさんは"そうですか"と呟く


どうしよう…早くここから離れたい

近くに立つ扇李の存在を身体で感じると胸が痛くて…見ないように…そう思いながらうつ向くと、みかねた右汰が私の背中をそっと押す


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