狼様の愛のカタチ理論





「お前、散々我が好きだと言いながら…叶わない思いだと知ってすぐに他に乗り替えるのか?」


「…え?」


低く、冷静な顔をしてるのに目付きだけは鋭くて…

まるで敵に物を言うような声色に恐怖を覚えながらも扇李の発した台詞に耳を疑う


乗り替える?…他の男に?


「………あっ」


それって、もしかして…呉羽さんのこと?


でも、なんで分かるの?右汰や左汰に言えと呉羽さんは言っていたけど


ずっと私と一緒だったし、扇李とは今会っただけなのに?


身に覚えのあることをつかれて、どうしよう…そう内心慌てると


フッと鼻で馬鹿にしたように笑う。


「なんだ、その顔は…事実か。しかも相手は呉羽だと?」

「…っ」

「あいつの匂いをプンプンさせやがって…鼻のきく我に嫌がらせか?」

「そ、そんなこと…」


嫌がらせなんかするわけない、ただわたしは…扇李の本心が知りたくて…っ



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